詐欺罪って難しいですね。
詐欺罪 - Wikipedia成立要件と特徴
詐欺罪は以下の4つの段階を経過した時点で既遂となる特殊な犯罪で、単に「騙した」だけでは成立せず、社会一般でいう詐欺の概念とはやや乖離しているのが特徴。
- 一般社会通念上,相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益の処分させるような行為をすること(欺罔行為)
- 相手方が錯誤に陥ること
- 錯誤した相手方が、その意思で財物ないし財産上の利益の処分をすること
- 財物ないし財産上の利益が行為者ないし第三者に移転すること
さらに上記1〜4の間に因果関係が認められ、また行為者にその故意が認められる必要がある。
上記の要件が必要とされる結果、たとえば、
- 嘘を言って店員の目を逸らせ、その隙にショーケースから商品をかすめ取った場合
- →詐欺罪は不成立(騙す行為が相手方の財産上の処分行為に向けられたものでない。但し窃盗罪)。
- 欺く行為があり、その後相手方から財物が交付されても、相手方が欺罔を看破しておりトラブル回避や憐憫の情から行為者の要求を飲んだにすぎない場合
- →詐欺罪は未遂に止まる(欺罔行為と処分行為の間に因果関係が認められない)
詐欺罪 - Wikipediaケースの考察
- 最初は正規に飲食するつもりで店に入り、飲食していたが、食後に財布を忘れたことに気付き、食い逃げを思い立って、店員の隙をついて店を出て逃走した
- →詐欺不成立(食後に無銭飲食をする意思を発生させているが、店に欺罔行為を行っていないため詐欺罪が成立しない。窃盗罪にも該当しないため、刑法で問うことは出来ない。但し民法上の責務を負う)