幻冬舎新書 マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで
マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 新書
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マネーロンダリングと聞くと不思議な錬金術のごとくイメージしていましたが、実はなんてこたぁーないオフショア・バンキングというか、なんとか匿名で海外に出金できないかという手口のことだったのだ。
それにしても銀行は金を動かしたり預かったりするだけで手数料をかすめ取る小汚い奴等だなというイメージがまたしても固着してしまうのであった。
まだ読書中です。
一通り読みました
とても面白かった。
- カシオ事件;表の世界と同じでどうしようもない奴らだらけ
- ライブドア事件:堀江たちは本当に分かっていなかった&検察は先回りし過ぎ
- プライベートバンク:文化人類学の上級ゼミでグローバリゼーションのお勉強をした時に感じた国家という枠組みの矛盾(人間の活動を制約するものでしかない&市民(資源)保護のための必要性)を改めて感じた。
- バチカン:小国(国家主権を持つコミュニティと呼ぶべきか)の生き残り術というか既得権というか、独立国家であるということは非常に有利なのだなと思った。(自由ってのはうらやましい)
- BCCI;資本を持たない銀行というのは、構造的には「ねずみ講」なのか。さらにねずみ講がNGなのは、事業としての健全性がない*1ので、いけないのだなと分かった。
- アルカイダ:テロネットワークというよりも、西側の金融網を利用しない国際的資金流通網というべきか。経済を共通の基盤概念にすると、「あいつら信用ならないぜ」というのが生じてしまうのだよな、必然的に。
儲かるか損するかどちらでも良いので、投資先(本当は投資していない)があればロンダリングが出来てしまうのだなと思った。さらに、相続税という無駄な税金支払いは馬鹿げているということも分かる。*2
ちょっとだけ話題の税法改正*3は、すべて金融には国家という枠組みが通用しないという強力な原則に引きずられている、と思う。しかし、法家が本来の力量を発揮すれば、こんな矛盾を生みだす必要はないと思うのだがな。結局は、資本家が自分達の利ざやを分け与えたくないという貧乏根性が病因なのだ。*4